丸亀製麺の業績は回復しているのか

丸亀製麺はUSJ復活の立役者である森岡毅さん率いる刀と提携しました。

ブログでも記事にもしています。

今回は、どういう風に丸亀製麺を変えていくのか、森岡メソッドの方向性を考えます。

まず、提携の効果としては、既存店客数が前年より上回った効果が強調されています。

PRTIMESより

トリドールホールディングスは丸亀製麺の月次実績を公表しています。

こちらも見てみましょう。

トリドールホールディングス公式サイトより

着目すべきは5月と6月の状況です。

客数は回復していますが、客単価は大きく落ちています。

客単価よりまずは客数?

この減少をどう分析するべきでしょうか。

森岡さんの発言を見てみます。

「丸亀製麺の本質的価値をブランドにすれば、まだまだトップラインを伸ばせます。客足が落ちていたのは、その本質が手薄なままフェアをやりすぎたからです。フェアはリピーターには効果がありますが、新規顧客を呼び込むのには向いていません。それよりも、丸亀製麺の魅力の原点、『手作りのうどんの美味しさ』を押し出すのです」

ダイヤモンド・オンラインより

この発言からすると、森岡さんは新規顧客を重視していると思われます。

リピーターよりもまずはファンとなる新規顧客を増やす。

今は、間口を広げてリピーターを呼び込むための「仕込み」の時期なのかもしれません。

トリドールの公式サイトには以下のように書いています。

丸亀製麺におきましては、4日から新商品の「牛とろ玉うどん」を販売した他、同日より「手づくり・できたて」の本格感に加え、「丸亀食感」を訴求する新CMを放映するなど、引き続き売上・来客数増に向けた施策を実施いたしました。


また、客数においては、テレビCMにおいて前年同月比で出稿量を増やしたこと(約1.9倍)に加え、本年1月末からの新たなブランディング、マーケティング戦略に基づく様々な取り組みが奏功し、前年比104.7%(曜日特性調整後)と好調に推移したものと推測しております。


今後におきましても顧客満足の向上に向け、付加価値の高い商品を開発するほか、より多くの方への訴求を目的としたデジタルメディアの活用や情報誌の配布など認知度を高める施策を実施して参ります。また、サービスおよび商品の品質向上、衛生管理の徹底に努め快適な食事環境を創出して参ります。

トリドールホールディングス公式サイトより

テレビCMが1・9倍になっています。

まずは、できたて、打ち立て、粉からできているを打ち出しているCM。

こちらはソフトバンクとの連携を匂わせながら、しょうが、ねぎ、すりごまをいくらでも載せられるお得感を打ち出しています。

安売りしてでも、うどんの質をアピール?

5月のスーパーフライデーは丸亀製麺でした。

スーパーフライデーはソフトバンクユーザーに無料で看板商品を提供するサービスです。

SNS放題のCMにソフトバンクと同様の犬のキャラクターが登場するのも、こうした連携を意識してのことでしょう。

ちなみに、ソフトバンクのサイトでも、粉から作る丸亀製麺のうどんそのものの品質の高さ、そして後述するように「麺匠」のストーリー性を打ち出しています。

さらに、納涼祭と題して、冷たいうどんを頼めばもう1杯無料になるキャンペーンをやっています。

ガンガンCMをやり、うどんそのものが安く食べられる点を強力に打ち出す。

しかも、変わり種の単価が高いメニューではなく、うどんそのものにフォーカスした商品を全面に出しています。

やはり、うどんそのものの質の高さを訴求し、丸亀製麺ファンの分母を増やす、まずは消費者の認知を上げることを優先した戦略に思えてなりません。

さらに、苦しいときほど、強烈なディスカウントをして客足回復を目指すという手法は、人気がない中で東日本大震災の発生、という絶望的な状況に追い込まれたUSJが実施した「キッズフリー」という強烈なPR手法を想起させます。

10%オフのような中途半端な策ではなく、インパクトのあるディスカウントで、魅力を認知させるわけです。間口を広げることから始め、そこから、リピーターを呼び込んでいくのではないでしょうか。

「麺匠」をブランディング?

こうした打ち出しの効果があったからか、客単価も前年に近づきつつあります。

現状の問題は、CMや安売りに見合ったリターンを確保できるかという点です。

客数が増えても、コストが増大していたら元も子もありません。

とはいえ、コストカットだけではジリ貧です。

プロモーション頼みから、どう安定顧客を確保していくのでしょうか。

トリドールの公式サイトを見てみます。

今後におきましても顧客満足の向上に向け、付加価値の高い商品を開発するほか、より多くの方への訴求を目的としたデジタルメディアの活用や情報誌の配布など認知度を高める施策を実施して参ります。また、サービスおよび商品の品質向上、衛生管理の徹底に努め快適な食事環境を創出して参ります。

デジタルメディアの活用、情報誌の配布とあります。SNSの積極的な活用や丸亀製麺をPRするムック、書籍などを製作していくのでしょうか。

実際、レシピ本も出たばかりです。

森岡毅さんが執筆した「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか」自体も、ハリーポッターの認知度を高めるための苦肉の策だったとされています。

森岡ファンとしての個人的な見解ですが、「森岡メソッド」にはキャラクターのブランディング化という戦略的要素があると思います。

ハリー・ポッターエリアを成功させるために「森岡毅」という人間をブランディングし、ナニワの軍師として認知させ、PRの源泉にしていました。

そこで、筆者は丸亀製麺独自の「麺匠」に注目しました。「麺匠」とは全国の店舗を巡回しうどんのつくり方を伝授する達人。うどん以外のメニュー指導、接客、マナー指導にも及んでいると言います。

先ほどのレシピ本も「麺匠公認」と麺匠の存在を強烈に打ち出しています。

麺匠をうまくブランディングして発信すれば、丸亀製麺の魅力をより引き出せる気がします。

カスタマイズを強化、お手本はスタバ?

森岡さんのインタビュー記事を読み返して、今後の戦略を匂わせる発言がありました。

「丸亀製麺にはもう一つ魅力があります。店頭で自分の好みにメニューを組み立てるカスタマイズの喜びです。こういったところも今後はアピールしていきたい」

ダイヤモンド・オンラインより

今後は店舗のてこ入れを進める。詳細は明らかにしていないが、てんぷらなどを自由に選べる点を訴求し、「カスタマイズを体験できる店舗の開発」(森岡氏)などを進める。

日経新聞より

ここで、カスタマイズというフレーズが登場しました。

カスタマイズと言えば、スターバックスです。

もしかしたら、丸亀製麺の目指すモデルはスターバックスなのかもしれません。

自由に選べるトッピングのクリームやシロップは天ぷらやおにぎりに置き換えられます。

だし、天かす、ねぎ、すりごま、しょうがでアレンジ自由な点も類似性があります。

そして、豆乳や無脂肪乳のように、「だし」も変えられる素材です。

それを「バリスタ」とも言うべき「麺匠」が先導していく。

カスタマイズは「客単価アップ」という効果もあります。

「丸亀製麺はおいしくて、家では絶対に食べられないうどん」という認知が出来上がった頃に、客単価アップを狙えるカスタマイズを全面に打ち出したPRを行い、「客数重視から客単価アップへ」という手順を踏むような気がしています。

さらに、「衛生管理の徹底に努め快適な食事環境を創出」とあります。

スターバックスには清潔でおしゃれなイメージがあります。

内装もスターバックスのように清潔感のあるイメージを強く打ち出していくのかもしれません。

店舗に清潔感がないと、女性客を中心に客足が遠のくことでしょう。

見当違いな推測かもしれませんが、「森岡メソッド」で丸亀製麺は大きく飛躍していきそうです。

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