森岡毅さんによるUSJ復活の記録

この書籍はUSJがハリー・ポッターエリアを開業し、劇的な復活を遂げるまでの道のりを、その立役者であるP&G出身のマーケター森岡毅さんが紹介したものです。

先日、最新作の「苦しかった時の話をしようか」の記事を書く際に、読み返しました。

USJが破綻寸前の大変な逆風の中、グレン・ガンペル氏と一緒にUSJを復活させた森岡さんですが、ハリポタエリア開業までにどうパークの業績を維持していくか。

そのときには一つのミスも許されない相当なプレッシャーがあったことが伺えます。そこで森岡さんが打ち出したのが、3段ロケット構想です。

3段ロケット構想

3段ロケットとは、

  • ①ファミリーを取り込む
  • ②関西依存の集客構造から脱却する
  • ③会社のノウハウを複数の場所に展開する

です。

ハリー・ポッターエリアを造る決意をした2010年から開業する2014年までをどう生き延びるか。

お金を使わずにアイデアを基にやり抜いた軌跡が紹介されています。

この間、東日本大震災による自粛ムードがあり、大型投資をする資金的余裕がない追い込まれた状況で考えに考え抜いた森岡さんですが、そのときに発信した数々の取り組みがいずれも大きく成功しています。

子ども入場無料のキャンペーン、トリックアート、映画のテーマパークからの脱却でワンピースの発信強化、モンハンのイベント、バイオハザード・ザ・リアル、ハロウィンのホラーナイト、親子連れを増やすためのワンダーランド、後ろ向きのコースター、ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~、スパイダーマンの4K化によるリノベーション…

結果だけ見ると森岡さんは特別な発想が湧き出てくるアイデアマンのように見えますが、目的、戦略、戦術を考え、達成するための確率を上げる取り組みを進めていった結果だとわかります。

森岡さんのように執念を持って考え抜いて取り組めば結果は当然ついてくる。

決してまぐれ当たりではない、と納得させられる内容でした。

感想

この本は少し古いですが、森岡さんの主張するマーケティングの手法は社会人、学生を問わずあらゆる人に役に立つ普遍的な内容だと思います。

この本自体がハリー・ポッターエリアを成功させるためのマーケティングの一環だったようですが、森岡さんは挑戦をしない、リスクを取らない日本人への忸怩たる思いを繰り返し述べています。

数学の力を活用し、勝つための確率を上げる。仮説を立てて、全力を尽くしてやり抜く。

その姿勢には学ばされることが多いです。

森岡さんはゲームや漫画もとことんまで研究していたようですし、それがUSJのアトラクションのクオリティーにもつながっています。

身近なUSJ(ユニバ)を題材に、社会で生きていくためのスキルやビジネスの世界で成功していくためのヒントが学べる良い本だと思います。

手ごろな価格の文庫本も出ています。ぜひ一度、手にとって見てください。

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