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税抜き298円均一で台頭

鳥貴族(トリキ)と言えば、普通の焼き鳥の3倍のボリュームがある貴族焼を筆頭に、通常の2倍のメガハイボール、メガ金麦と大きなジョッキのお酒、どれを頼んでも税抜き298円です。

貴族焼を紹介したツイッター、でかい
https://twitter.com/sammy_fx_123/status/1040911431019819009
めちゃくちゃ大きいメガハイボール

安すぎるとも思える価格設定ですが、最近は苦戦していると報道されています。

値上げで客離れ+メディア露出の反動減

鳥貴族は2019年7月期決算が3億円の赤字に転落する見通しと発表しました。

赤字転落は上場してから初めてだそうです。

直近に公表された19年7月期第2四半期決算説明会の資料を見てみましょう。

鳥貴族決算説明会資料より
鳥貴族決算説明会資料より

注目すべきは、価格改定以降、店舗の集客力が低下、としている部分です。

関ジャニ∞の大倉忠義さんのお父さんとしても知られる大倉忠司社長。

自ら経営状況を説明した様子がログミーファイナンスに公表されていましたので、引用します。

価格改定後、売上高が下降トレンドになった当初は、価格改定が一番大きな要因だとも考えておりましたが、やはりここにきまして……仮説なのですが、やはり上場後のメディア多数の登場により売上高がもらえたのかなと。そういったことも仮説で、こういったグラフを作ってみました。

ログミーファイナンスより

2017年10月に全品税抜き280円均一を298円均一に値上げしたのをきっかけに、業績が悪化したそうです。

かつては、メディア露出の増加による後押しがあり、その効果が切れた反動減もありそうです。

値下げは「絶対にしない」

東洋経済オンラインに社長インタビューが掲載されていました。値下げはあるのでしょうか。

――今後、値下げする選択肢は?
絶対にしない。値下げして社員に対していい環境を作れるわけがない。その我慢が社員の待遇に影響する。おそらく、今、なかなか値上げできない他社は苦労していると思う。間違いなく人件費も高騰していくし、やはり労働環境をよくしていかないと人も集まらない。他社も本当はもっと適正な価格にしたいのではないか。

東洋経済より

 大倉社長は「値下げは絶対にしない」と明言しています。

そこには、「社員の待遇を良くする」という強い思いがあるようです。

苦境の背景は何なのか

鳥貴族が苦境に陥った背景としては、

  • 値上げで客離れが想定以上に進んだ
  • ブームの追い風の中で出店計画を作り、自社店舗の競合(カニバリ)を招いた

があります。 果たしてそれだけでしょうか。

コンビニ、スーパー、ドラッグストアにも焼き鳥

 周りを見渡せば、焼き鳥を食べられる場所は非常に増えました。

まずはコンビニエンスストアです。

食品産業新聞の記事を引用します。

やきとりは2017年1月にローソン、6月にファミリーマートがそれぞれ発売し、両社とも累計1億本以上を販売し、カウンターFF(ファストフード)の新たな柱に成長しつつある。業界最大手が参入することで、ドリップ式コーヒーのような新たな市場が生まれそうだ。 

食品産業新聞より

今やどこでも焼き鳥が食べられます。ローソンのでか焼鳥のように貴族焼を意識したように思える商品もありました。外食業界は後追いとの戦いを常に強いられる厳しい世界です。

https://twitter.com/R8aWfqSmb54u4NX/status/872433464699568128

スーパー、ドラッグストアでも惣菜販売をしています。

特にドラッグストアの台頭はすさまじいです。

利益率の高い薬で儲ければいいわけですから、食品はどんどん割り引いて販売し、コンビニやスーパーを猛追しています。

ウーバーイーツ、出前館、ちょい飲み、せんべろ…

ウーバーイーツ、出前館のように宅配サービスも普及し始めました。

色んなお店の味が家にいながら楽しめるわけです。

ちょい飲み、せんべろという言葉に代表されるように、気軽に食べ飲みできる低価格業態も増えました。

吉野家も吉呑みと銘打って参入しているくらいです。

丸亀製麺は驚愕の30分1000円飲み放題。

節約志向が進み、家庭でお酒を飲む「家飲み派」も多いでしょう。

そう考えると、国内の少ないパイを奪い合う外食産業の状況はますます厳しさを増しそうです。

お酒の値段は上がり、競合する業態も次々と

改正酒税法により、2017年6月から飲食店のお酒の仕入れ価格が上がりました。

仕入原価に人件費や広告費などのコストをプラスした価格で売らなければなりません。

物流費、人件費は年々上がっていますし、298円の均一価格で売り続けるのもじきに難しくなりそうです。

サービス旺盛な鳥貴族ですが、それが首を締めている部分もあるように見えます。

メガハイボール、メガ金麦のように単純に量を増やした割安な商品は消費者にとっては嬉しいですが、2杯飲んでいたのが1杯ですむわけですから、むしろ客単価を下げてしまったとも考えられます。

鶏肉を扱うワタミのミライザカ、鳥メロ、形態が似ていて禁煙化でファミリー層を取り込んだ串カツ田中など、ライバルも増えています。

消費者に飽きられない工夫をしなければなりません。

鳥貴族はどう動く?

2019年にはえび貴族と名付けたユニークな期間限定メニューを売っています。

https://twitter.com/mm_cmfl/status/1103653112043065344

こうしたユニークなメニューがあると楽しいですし、好評のようですね。

やっぱり安いです。

愛知県・岐阜県・静岡県・三重県限定で感動メニューという原価率8割超えの商品も投入しているようです。どれもおいしそうですね。

鳥貴族は浮上できるか

これまで見てきたように、鳥貴族は低価格で質の高いメニューを提供し、さらには従業員の待遇も守ろうという経営方針を貫いています。

この大倉社長の理念は、書籍にまとめられています。

お客さんに喜んでもらいたい、外食産業はどうしても低く見られがち、それを誇れる仕事にして、焼き鳥屋で世界を変える…正々堂々として誠実な人柄が伝わる素晴らしい内容です。

外食産業はブラック、人手不足と見られがち、必ずしも社会的に地位が高いとは言い難い状況があります。

食事という人の生活に欠かせない産業なのに、従業員の待遇を改善して値上げをすると、経営が苦しくなってしまう。

しかし、お客さんには手頃な価格で感動する食事をしてほしい。

ジレンマの中で、鳥貴族はもがき苦しんでいるようにも思えます。

安さやおいしさは、現場の待遇悪化という負担の押し付けがあって成り立っているものなのかもしれません。

果たして、鳥貴族は浮上できるのでしょうか。

こうした状況を変えようと考えている大倉社長は素晴らしい経営者だと感じさせられます。

今の苦境を乗り切り、必ずや復活してくれるものと応援したいです。

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